トレンド系とオシレーター系の特性を併せ持つMACDで仮想通貨の取引を有利に進める

仮想通貨の取引を行う際に相場の方向性やエントリーのタイミングを計るために利用するテクニカル指標を大きく分けると、トレンド系とオシレーター系の2つの系統が存在しています。

今回はテクニカル指標の中でも珍しく、両方の特性を併せ持っているという稀有な特徴を持ったテクニカル「MACD」の扱い方と注意点についてまとめました。

2つの特性を持ち合わせているテクニカル

MACDの最も大きな特徴は、エントリーのタイミングや反転のタイミングを知る事に特化しているオシレーター系の特徴を持ちつつも、相場全体の方向性などを知ることが出来るトレンド系のテクニカルとしての側面も併せ持っているため、1つのテクニカルで両方の使い方をする事が可能な点があります。

注意点としては、1つのテクニカルから複数系統のテクニカル分析を行う事が出来る反面、情報量が多くなってしまうため、慣れないうちはパニックになってしまいやすい傾向がある点には注意が必要です。

「トレンド系としての側面も持っている」という性質の通り、オシレーター系に分類される事の多いテクニカルでありながらも、トレンドの方向性を測りやすいことに加えて、それらが非常に分かりやすいため、トレンドの傾向だけを知りたいという人にもおすすめのテクニカルです。

MACDを構成する要素

MACDを構成する要素は「MACD」「シグナル」「ゼロライン」「MADiff」などがあります。

中でも特に重要な要素を占めているのが短期EMAと長期EMAの差によって求められる「MACD」とMACDそのものの移動平均線である「シグナル(MACDシグナルと呼ばれる事もあります)」の2つです。

MACDは設定された2つの期間の指数平滑移動平均線(EMA)によって算出されており、短期EMAから長期EMAを引く事で作られています。

シグナルは、MACDそのものの移動平均線であり、設定された期間分の過去の数値の平均値によって作られています。

これらの事から分かるように、MACDはオシレーター系に分類される事が多いながらも、成り立ちとして見るとトレンド系の1つである移動平均線から派生・変化したテクニカルの1つになります。

また、丁度0の位置を示す横線のゼロラインに加えて取引に使っているツールの種類や設定によっては主要な要素であるMACDとシグナルに加えて、それらの差を視覚化したMADiff(MACD2やヒストグラムとも呼ばれます)と呼ばれる要素によってMACDは構成されています。

表示方法はツールの種類によって様々

MACDをチャートに表示する際の注意点として、取引に使用するツールの種類や設定によって多少の見た目に違いがある点に注意が必要です。

基本的な要素となるMACDに関してはごく普通の平均線のような形で表示される事が一般的であるのに対して、シグナルに関してはMACDと同様に表示する方法の他に範囲内を色で塗りつぶした場合などがあり、使い方に差はないものの一見すると違うテクニカルのような外見になっている事があります。

また、MADiffに関してもシグナルと同様に表示の方法が多数存在しており、MACDやシグナルと同様の平均線方式の表示以外に、時間毎の差を縦棒で表示するスタイルなど多数の形態が存在しています。

これらの設定については、高機能な取引ツールの場合には個人の好みに合わせて設定できる事も多いため、設定画面などで使いやすいように設定し直すのがおすすめです。

MACDのシグナル「MACDとシグナルのクロス」

MACDの売買シグナルを読み取る中で、最も簡単なシグナルとして機能しているのが、MACDとシグナルがクロスしたタイミングです。

MACDの基本は移動平均線によって作られているという点は先にも触れましたが、この点は売買シグナルの発生にも大きく関わってきており、移動平均線の代表的な売買シグナルである「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」が発生する事があります。

MACDにおけるゴールデンクロスは、MACDがシグナルを上方向へと抜ける事を指しており、このシグナルが出た場合には買いシグナルとなります。

逆に、MACDがシグナルを下方向へと抜いた場合には正反対に売りのシグナルが発生した、という見方をする事が出来ます。

移動平均線のクロスと同様にMACDの角度がゴールデンクロスなら上昇方向、デッドクロスなら下降方向へと強めの角度を描いている際により強いシグナルになる傾向があるため、クロスを注視する際にはMACDの角度も重要なポイントになります。

併せてMADiffを見ておくのがおすすめ

MACDのゴールデンクロスとデッドクロスを読み取る上で同時に把握しておくと便利なのが、MADiffとゼロラインの位置関係です。

MADiffがゼロラインの上にある間はどちらかと言うと上昇傾向が強い状態にあり、逆にゼロラインの下にある間は下降傾向が強い状態にあります。

また、下降から上昇へと切り替わっていく際などには、徐々にゼロラインへと近づいていく動きをするため、トレンドが切り替わるタイミングを狙う際の1つの目安になります。

例えば、下降トレンド中のMADiffはゼロラインの下方向に離れていますが、下降トレンドが終わりに近づくとMADiffの伸びが止まり、その後は徐々にゼロラインへと近づいていきます。

これらの動きは、MACDとシグナルのクロスよりも少し早い段階で発生するため、MADiffの動きを見ておき、ゴールデンクロスなどの発生に備えるという使い方などが可能です。

MACDのシグナル「MACD&シグナルがゼロラインとクロス」

MACDとシグナルのクロスと並んで重要なのが、MACD&シグナルとゼロラインとのクロスです。

これが発生した場合は現在のトレンドが更に継続する事を意味しており、ゼロラインを下から上へと抜いた場合には上昇トレンドの継続、上から下へと抜いた場合には下降トレンドの継続という読み方をすることが出来ます。

こちらもクロスした際の角度が重要になっており、ゼロラインとの角度の差が大きいほど値動きも強い傾向があります。

逆にゼロラインとの確度の差が少ない場合(並行に近い)場合には強いトレンドが生まれていないため、無用なエントリーを避けてしっかりと待ちの姿勢で臨むのがおすすめです。

反応は遅めだが確度は高め

MACDを利用する上で知っておいた方がいい弱点の1つとして、他のオシレーター系テクニカルと比べて相場の反転などに対する反応が遅めに出るという点があります。

例えば、オシレーター系の代表的なテクニカルである「ストキャスティクス」や「RSI」とMACDを比べると相場が反転したタイミングに対する反応の速度はストキャスティクスが最も早く、RSIがそれに次ぐ形になり、MACDはそれらよりも格段に遅いタイミングで反応を示します仕組みになっています。

そのため、出が遅れがちになってしまいますが、その一方で反応が遅い分だけ他の同系テクニカルよりもダマシが発生し辛い傾向が強くなっており、売買シグナルの信頼性が高い点がメリットの1つになっています。

仮想通貨のレートは主要通貨の取引とは異なり、些細な事由でも動きが生まれやすいため、ダマシが発生し辛い点は強い利点と言えます。

MACDと合わせて使いたいテクニカル

MACDの最大の弱点は反応が遅れ気味に表示される点にあるため、その点をフォローできるような反応が早く出る傾向にあるテクニカルとの相性が良好です。

特に、近い系統のテクニカルであり、MACDよりも反応が出やすいストキャスティクスなどと非常に相性がいいため、併用するのもおすすめです。

また、MACDに表示される売買シグナルは出るタイミングこそ遅れ気味であるものの、信頼性そのものは高いため、MACDに先んじて売買シグナルを知ることが出来るテクニカルと併用することで先んじて表示されたシグナルとMACDが同じシグナルを出しているか否かで、予測の確度を上げる効果を狙う事も出来ます。

例として、MACDよりも反応が出やすいストキャスティクスと併用し、先に出現したストキャスティクスの売買シグナルに合わせてエントリーし、反応が遅いが信頼性の高いMACDで継続するか撤退するかを判断するといった、使い方も可能です。

まとめ

仮想通貨の取引においてもトレンドをフォローする形での取引を行う際にはMACDのテクニカル分析はかなり有用です。

弱点である出が遅い点に関しても「頭と尻尾はくれてやる」のスタンスでやっていく場合にはそれほど困る点にもならないため、利益をしっかりと積み上げたい人にはおすすめのテクニカルの1つと言えます。

また、オシレーター系ともトレンド系とも言われるMACDですが、実際にはトレンドの無い相場は若干苦手な側面が強いため、基本的にはトレンドの生まれている相場で使用するのがおすすめです。